痛点とは文字通り痛みを感じる点です。
太い注射針を使うと、痛点に接してしまいますので必ず痛みが生じますが、細い注射針を使うことにより痛点を避けることができます。
しかし、表面からはどこに痛点があるのかはわかりませんので、いくら極細の注射針を使っても、運が悪く痛点にあたってしまうと痛みます。
これは、表面麻酔薬を使って口腔粘膜表面を麻痺させても、麻酔薬を体温近くに温めても、電動の注射器を用いてゆっくりと注射したり、針の無い注射器を使用したとしても同じです。
痛点は体の部位によって密度が異なりますので、痛点の密度を熟知して、痛点の少ない所に麻酔を打つことが重要です。
例えば1平方cm中に膝の裏側では240個もあり痛みに非常に敏感ですが、足の裏は50個と痛みに鈍感です。
左の写真のように、同じように見える歯ぐきでも痛点の密度は異なります。
それを見極めて注射することにより、不要な痛みを与えてしまうリスクを軽減することができます。
このほかにも、痛みを軽減するためのテクニックはたくさんあります。
当院では上記の理由から無痛ではなく、なるべく痛みを伴わないための配慮は十分にいたしますが、微痛治療です。
「痛かったら左手をあげてください」といわれたことがある方も多いと思いますが、左手を挙げた時点で“無痛”ではありません。
本当の意味での無痛治療をお望みであれば、全身麻酔下での治療をお勧めいたします。ただし、点滴注射をするときは痛みます。
「痛かったら左手を挙げてください」と言うときには、2パターンあります。
①麻酔の効き具合を判断する場合
②痛み刺激により診断する場合
①の場合:当院では、「痛かったら麻酔を追加しますので左手を挙げてください」と申し上げます。
痛むようであれば麻酔を追加いたしますので、その時は左手を挙げて教えてください。
②の場合:例えば、大きな虫歯の歯の神経が死んでいるか生きているかを診断するときにちょっと触ってみることがあります。
このような場合は痛かったら左手を挙げて教えてください。
なぜ、左手かというと右側には治療用の器材などがたくさん置いてあるため、右手を挙げるとぶつかってしまう恐れがあるからです。また、口をあいていただいていますので痛いか痛くないかうまく話せないためです。
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