「ガラガラ」と水をのどで鳴らすうがいは、風邪の予防策としておなじみです。
しかし実は、本当に効果があるのかどうかはほとんど研究されておらず、日本と韓国だけの習慣ともいわれます。
そんな中、浜松医大と九州大の研究チームが保育園児約1万9千人の調査を基に、うがいをする子どもは発熱を伴う風邪をひきにくくなるとの分析結果をまとめました。
チームの野田龍也(のだ・たつや)・浜松医大助教(公衆衛生学)は「うがいの効果について疑問を持つ専門家もいますが、やはり風邪の予防法として意義があると言えるのではないか」と話しています。
調査は2006年1~2月の約20日間、福岡市内の保育園145カ所に通う2~6歳児を対象に実施。
最低1日1回のうがいをする子どもが、しない子どもと比べて37・5度以上の発熱を伴う風邪をひきにくくなるかどうかを追跡しました。
すると、うがいにより発熱の頻度が68%に抑えられることが判明しました。
この効果は年長ほど大きい傾向があり、4歳児では46%、5歳児では41%まで頻度が低下しました。
また、うがいに使う液体の種類によって効果が大きく違うことも分かりました。
水道水では発熱の頻度が70%になったのに対し、食塩水では50%、アルカリイオンなどを含む機能水では46%、緑茶では32%まで下がりました。
どういう仕組みで風邪の予防になるのかは不明なままですが、子どもの発熱のほとんどはウイルスが原因のため、野田さんは「ウイルスを洗い流すのと同時に、水道水に含まれる塩素や緑茶のカテキンなどの物質が消毒効果を発揮しているのではないか」と話しています。
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