・若年期に発症し、緩徐な進行性開口障害(硬性開口制限)を示す。
・顔貌上の特徴:すなわち下顎角部の膨隆に伴うsquare-shaped mandible
・咀嚼筋、特に咬筋の両側性肥大(最大開口時に咬筋前縁に触れる硬く突っ張る索状構造物)
・外傷、感染および腫瘍性病変の関与が明らかではない。
・MR画像上・手術所見上、両側咀嚼筋腱および腱膜の著名な肥厚がある。
・顎関節に対する治療が奏功せず、腱膜切開ないし部分切除が開口障害を改善する。
・顎関節疾患などの合併症がなければ、下顎側方および前方運動に制限がない。
咀嚼筋と呼ばれる4つの筋肉(咬筋、側頭筋、内側翼突筋、外側翼突筋)を動かすことで、口を開け閉めしたり、物を食べたりしています。
この疾患になると、咀嚼筋と骨をつなぐ腱と呼ばれる硬い組織が異常発生して筋肉の動きをさまたげるため、口が開きにくくなってしまいます。
「口が開けづらい」という症状から「顎関節症」と誤って診断されてしまうことがありますので注意が必要です。
この疾患の原因は不明です。
治療法は開口訓練、手術療法(咬筋腱膜切除術、側頭筋腱膜切離術、下顎角形成術)です。
顎関節症は、日本顎関節症学会によって次の4つに分類されています。
咀嚼筋(そしゃくきん)は、下顎骨の運動(主に咀嚼運動)に関わる筋の総称です。
閉口筋:
咬筋、側頭筋、外側翼突筋(上頭)、内側翼突筋
開口筋:
顎舌骨筋、オトガイ舌骨筋、顎二腹筋、外側翼突筋(下頭)
この口を閉じたり・開けたりするための筋肉に痛みやコリなどの症状がある場合をいいます。
頭痛(筋緊張性頭痛)、顔面や目、耳、のど、歯、舌、首などの痛み、肩こり、また手のしびれなど様々な症状が生じます。
◎M(Myalgia)筋痛:クリックなし、咀嚼筋痛・開口時痛あり、二次性関節痛なし
◎MA(Myalgia+Arthralgia)筋痛+関節痛:クリックなし、咀嚼筋痛・開口時痛あり、二次性関節痛あり
顎関節を構成する軟組織が外傷を受けた場合、顎の関節部分に痛みが生じます。痛みは口の開閉時、咀嚼時、圧迫時に生じますが、何もしていないときでも鈍痛が起こる場合があります。
◎A(Arthralgia)関節痛:クリックなし、顎関節痛・開口時痛あり、二次性関節痛なし
◎AM(Arthralgia+Myalgia)関節痛+筋痛:クリックなし、顎関節痛・開口時痛あり、二次性関節痛あり
下顎頭の上に位置している関節円板が前方にずれてしまうと、雑音がしたり口が開きにくくなったりします。
顎を開け閉めした時に、「コリッ」「ポキッ」「カクッ」などの音(関節雑音・クリック音)がする事が特徴です(音がしない方もみえます)。
関節円板がずれている方は、本人が気がつかないだけで、人口の15%~32%程度存在するといわれております。
特に痛みなどの症状がない場合、治療対象とならないことがほとんどです。
◎CE(Early Click)クリック初期:一次性クリック初発から2週間未満
◎CO(Click Only)クリック単独:無痛の一次性クリック初発から2週間以上経過
◎CP(Click+Pain)クリック+疼痛:開口時痛を伴う一次性クリック初発から2週間以上経過
口が開こうとしても2cm程度しか口が開かなくなり、途中で引っかかってしまい、クローズドロックという状態になります。
◎IL(Intermittent Lock)間欠ロック:間欠的な開口障害
◎LE(Early Lock)ロック初期:開口障害開始2週間未満
◎LC(Chronic Lock)慢性ロック:開口障害開始2週間以上経過
①皮質骨の断裂
②辺縁性増生
③吸収性変化を伴う下顎頭の縮小化
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