ソフトドリンクに鉄分を足すと歯が溶けない、「エナメル質」の硬度を守る

 炭酸の入ったようなソフトドリンクに低濃度の鉄分を補充すると、歯が溶けなくなるようだ。

 試験管内の実験が確認されている。

 インドの研究グループが、子どもの歯科医学の専門誌ジャーナル・オブ・クリニカル・ペディアトリック・デンティストリーの2015年冬号で報告している。

歯をソフトドリンクに漬ける

 乳歯と永久歯のエナメル・ブロックを、2つの条件の異なるソフトドリンクに漬けて、効果を比較するという研究だ。

 一つのグループは、通常のソフトドリンクとして、コカコーラおよびスプライトの中に漬けて変化を観察する。もう一つのグループは、ソフトドリンクに低濃度の鉄分を補充して漬けて変化を見ている。

 鉄分は日本のお歯黒に使われる硫酸鉄(7水和物)を使っており、1Lのソフトドリンクに対して、およそ500mgまたはおよそ1gの2つのパターンで入れている。

 漬けた後に、カルシウムとリン酸塩の流出の状況、表面の硬度を調べている。

鉄分の補充は効果

 結果として、鉄分を補充したソフトドリンクに漬けた場合には、補充のない場合に比べて、表面の硬度、カルシウムおよびリン酸塩の減少が少ないと分かった。

 1Lに対して500mgを添加すると十分な効果が表れていた。

 鉄分のような歯が溶けるのを防ぐ方法があるとすれば好ましいのだろう。

 逆に言えば、ソフトドリンクを飲むと通常はやはり歯が溶けると言える。

 最近もコーラで歯が溶ける現象を確認する研究報告があった(コーラで歯は溶ける、エナメル質の「酸蝕」を数値化に成功を参照)。

 飲み物を選ぶときは、歯に気を遣いたい。