コーラで歯は溶ける、エナメル質の「酸蝕」を数値化に成功

 コーラを飲むと歯が溶ける。

 実際溶けるのだが、歯が解けていく程度を数字化することにこのたび成功した。

 ブラジル、ノーベ・デ・ジューリョ大学のネルソン・H・コショージ氏らの研究グループが、オンライン科学誌のプロスワン(PLoS One)誌において2015年2月13日に報告している。

酸蝕が進む

 歯のエナメル質が酸によって少なくなることを酸蝕(さんしょく)と言う。虫歯のように細菌の働きで歯が少なくなるのではなく、化学的なプロセスによって歯の摩耗が進んでいくというものだ。

 研究グループによると、影響を受けている人の数は多いようだ。

 溶けているといっても程度は大きくはないので、数字化するのは簡単ではないようだ。

 このたび研究グループは、「レーザースペックル画像分析」という方法で、酸蝕による歯表面の微細な構造に起きる変化を数値化しようと検証している。レーザー光を面に当てると、粒状の模様が見える現象を応用。ミネラル分の微小な変化をこの粒子の模様の変化で数字にするというものだ。

徐々に数字が大きくなる

 牛の歯を使って、7日間にわたり1日に2回コーラ飲料(約pH2.5)に浸して人工的に酸蝕を作り出した。浸す時間はそれぞれ10分、20分、30分、40分とした。

 結果として、浸した部分をレーザースペックル画像で分析したところ、10分で18%、20分で23%、30分で39%、40分で44%と徐々に解けていく様子を数字に表すことに成功した。

 研究グループによると、スペックルの模様から歯の浸食を数字化した世界でも初めての研究という。

 応用すれば、歯の痛み方を定期的に調べるといった検査が実現するかもしれない。