赤ワイン成分、短期に骨密度改善

【米国内分泌学会】
新たな骨粗鬆症治療薬として期待
 
2014年10月30日 米国学会短信  カテゴリ: 一般内科疾患・内分泌・代謝疾患・整形外科疾患

 米国内分泌学会は10月16日、赤ワインなどに含まれる天然化合物レスベラトロールが、メタボリック症候群男性の骨密度を増やし、骨粗鬆症治療薬としての可能性を明らかにしたデンマークの研究を紹介した。Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism誌に掲載。

 レスベラトロールはポリフェノールの一種で、赤ワインやブドウ、ナッツ類などに含まれている。抗炎症作用があり、マウスやラットでは骨量減少を抑えることが示されている。メタボリック症候群は、低度の炎症との関連性が指摘されており、骨量減少を招く可能性があると言われている。

 本無作為化試験では、中年メタボ男性66人をレスベラトロール500 mg、同75 mg、プラセボの3群に分け、いずれかを1日2回、16週間服用し、骨密度と骨形成、骨吸収の徴候を評価した。その結果、対照群に比べ、高用量レスベラトロール群は腰椎の体積骨密度が2.6%、骨形成マーカーである骨型アルカリホスファターゼ(BAP)が16%増加した。

 研究者は「わずか4カ月で骨密度が有意に改善し、BAP値も上昇したのは、レスベラトロールが体内の造骨細胞を刺激していることを示唆する有望な結果である。骨粗鬆症高リスク集団にも長期治療による骨保護作用が見られるかどうかは、さらに研究が必要」と述べている。