口腔HPV、口腔性交頻度で倍増 【米国癌学会】

パートナーの性器HPVから口腔感染

 米国癌学会(AACR)は11月12日、口腔ヒトパピローマウイルス(HPV)の伝播が口腔-口腔間および口腔-性器間の経路を介して起こることを示唆する研究を紹介した。Cancer Epidemiology, Biomarkers & Prevention誌に掲載。

 この研究は、2005-2011年に「異性間性交におけるHPV感染と伝播に関する研究」に参加した女子学生(18-24歳)とその男性パートナーに性的経歴についてのアンケート調査を行い、併せて膣および男性外性器から検体を採取したもの。検体からは36種のHPV型が検出された。

 男性被験者の口腔HPV罹患率は7.2%で、罹患率が高かったのは喫煙者(12.2%)、複数の性的パートナーがいる(17.9%)、パートナーが口腔HPV感染(28.6%)または性器HPV感染者(11.5%)だった。また、HPVに感染していた男性222人中、パートナーが性器HPVに感染していたのは130人だった。HPV16の罹患率は、男性全体では2.3%で、パートナーが性器HPV16に感染している男性33人では6.1%と高かった。特定型の性器HPVに感染したパートナーを持つ男性は、口腔性交をする頻度(「しないまたはめったにしない」、「時々する」、「大抵またはいつも」)が増えるごとに、同じ型のHPV罹患率が2倍以上増加。HPVに感染していなかった男性52人は、非喫煙者、性パートナーが単一、パートナーが口腔または性器HPVに感染していないのいずれかだった。

 研究者は「今回の結果から、口腔HPV感染が口腔と口腔および口腔と性器の接触で起こるというエビデンスが、またひとつ得られた」と述べている。